歯列矯正で抜歯をする意味

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歯並びが悪い場合に、歯列矯正治療によって歯を正しい位置に動かしていくことで、歯並びをキレイに整えることができます。ブラケットという装置を歯の表面に装着して、ワイヤーを通して引っ張ることで歯を動かしていくブラケット矯正治療と、マウスピース型の装置を歯に装着して、10日〜2週間ごとに動いた歯に合わせて新しいマウスピースに交換することで、歯を動かしていくマウスピース矯正治療が主な治療方法ですが、場合によっては治療前に抜歯をおこなうことがあります。歯並びを整えるために、健康な歯を抜くということに抵抗を感じている方も多いかと思います。なぜ矯正治療に抜歯が必要なのでしょうか。抜歯をする意味をご説明いたします。

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歯列矯正で抜歯をする意味

歯列矯正治療は、歯を正しい位置に整える治療法ですが、顎が通常よりも小さかったり、歯が通常よりも大きいことが原因の不正咬合(悪い歯並び)は、歯を正しい位置に並べるためのスペースが足りないことがあります。矯正装置によって歯を動かしても、並ぶスペースがなければ歯はキレイに整いません。そのため、抜歯をおこない歯のスペースを確保することで、歯を正しい位置に動かすことができるのです。矯正治療で抜歯をするのは、噛み合わせに影響がないとされている小臼歯です。小臼歯は、第一小臼歯(前から4番目の歯)と第二小臼歯(前から5番目の歯)がありますが、主に第二大臼歯を抜歯します。もしも、第一小臼歯が虫歯などによって状態が悪い場合は、第一小臼歯の抜歯が選択されます。小臼歯を抜くことで、前歯の歯列を広げながら後方に動かしていきます。

抜歯をおこなうメリット

前歯が移動しやすい

抜歯をおこないスペースを作ることで、前歯の歯列全体が整えやすくなります。中でも、前歯が重なっていたりデコボコしている「叢生」や、前方に大きく突出している「出っ歯」などは、歯列を効率よく整えることができます。

後戻りしにくくなる

抜歯をせずに矯正治療をおこなった場合、スペースのない状況で歯列全体を移動しなければならないため、大きく歯を動かす必要があります。しかし、大きく動いた歯は後戻りも大きくなってしまいます。そのため、適切に抜歯をおこなうことにより無理に大きく歯を動かさなくてもいいので、後戻りも軽減されます。

歯茎が下がりにくい

狭いスペースに無理に歯列を整えると、歯や歯茎への負担が大きくなってしまうため、歯茎が下がって歯が長く見えてしまうこともあります。しかし、抜歯をすることで歯茎が下がるリスクを避けることができます。

無理に力をかけることなく歯列を整えることができる

歯列を動かす場合、動きにくい奥歯を支点とするのですが、歯抜をせずに歯列を動かすためには強い力を加えなければならないため、支点とする奥歯に大きな力がかかってしまい、逆に奥歯が前に倒れ込んでしまうリスクもあるのです。しかし抜歯をすることで、無理なく歯列を動かすことができます。

顎の大きさと歯列のバランスが整う

もともと顎が小さい場合、そのスペースに対する歯の本数が多いことで不正咬合になっていることもあるため、抜歯して歯の本数を減らすことで、顎のスペースと歯の本数のバランスが整うので、矯正治療後も歯列が乱れにくくなります。

抜歯をおこなうデメリット

健康な歯を失う

抜歯をおこなうことで健康な歯を失ってしまうことは、大きなデメリットです。

抜いた部分の骨が痩せる

抜歯をした部分の骨は徐々に痩せてしまいます。そのため、矯正治療後は歯列の強度が落ちてしまう可能性が考えられます。

治療期間が長引く

抜歯をした際に空いたスペースが大きいため、歯の移動も大きくなってしまう場合は、治療期間が長くなってしまうことがあります。

抜歯しなくても良いケース

軽度の不正咬合の場合

前歯の大きな重なりや、突出が少ない軽度な不正咬合は、抜歯をしなくても歯列を整えられる可能性があります。

歯を移動するためのスペースがある場合

歯を移動するためのスペースが十分にある場合は、抜歯をする必要はありません。すきっ歯など、もともとスペースがある不正咬合などでは、抜歯する必要はほとんどありません。

顎の大きさを広げられる場合

乳歯期と混合期の、顎の成長を促すことができる子供の歯列矯正の場合には、抜歯はせずに顎の大きさを広げる治療をおこないます。子供の顎は成長段階であるため、顎の成長を利用した装置を使用することで、顎の大きさを広げることができます。顎の大きさを広げることによって、永久歯の歯列が自然に整います。そのため、子供の矯正は主に顎の大きさを広げる治療が主体となります。

抜歯を伴わない矯正治療

ディスキング

歯の表面にあるエナメル質を僅かに削ってスペースを作り出します。削った側面は、フッ素塗布をおこないます。

コルチコトミー

歯を支えている歯槽骨の皮質骨の一部を切除することで、矯正装置の力と自然治癒力を利用して矯正効果を高くする治療法です。さらに内部の海綿骨に亀裂を入れることで、より歯を動かしやすくする「ヘミオステオトミー法」もあります。

インプラント矯正

口腔内に専用のネジ型のインプラントを埋入して、歯を動かすための固定源として使用することにより、大きな力で歯列全体を移動できるため、非抜歯での治療が可能になる場合があります。

まとめ

不正咬合の矯正治療をおこなう際に、医師に抜歯が必要だと判断された場合は、抜歯の必要性を納得するまで説明してもらうようにしましょう。もしも納得できない場合は、別の大分県の歯科医院では、抜歯をせずに適切に歯を動かすことができるという可能性もあるため、セカンドオピニオンを受けることも良いでしょう。

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