矯正治療中のお手入れ

歯列矯正治療は、一般的に1年半〜3年ほどの治療期間を要します。そのため、ブラケット矯正の場合、治療期間中は装置を取り外すことができないことから、口腔内に食べカスや細菌の塊である歯垢(プラーク)が溜まりやすい部分が多くなってしまいます。さらに歯磨きがしづらくなり、適切にブラッシングができていないと虫歯のリスクが高くなってしまいます。もしも虫歯が進行してしまうと、場合によっては矯正装置を一旦外して虫歯の治療をおこなうこともあるのです。このようなことを防ぐためにも、矯正治療中は装置に合わせた歯ブラシ以外にも、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなどの補助的清掃用具を適切に使用して、普段よりも時間をかけて丁寧にお手入れをすることが大切です。

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矯正治療中のブラッシングの注意点

矯正治療中の歯磨きの際は、鏡を見ながら指や歯ブラシで口唇や頬を伸ばしながら、磨いている部分や、歯ブラシの動きや当たり具合を確認しながら磨きましょう。歯ブラシの持ち方は、ペンを持つような「ペングリップ」で磨くと良いでしょう。ペングリップは余計な力を入れずに磨けますので、小刻みに振動させて動かしましょう。また、あまり泡立ててしまうと、装置部分が磨けているか確認しづらくなるため、歯磨き剤の付けすぎには注意しましょう。

矯正治療中の歯磨きの仕方

ブラケットの周り

一般的なブラケット矯正装置の場合、装置にくぼみやデコボコがあるので、その部分に食べカスや歯垢などの汚れが溜まりがちです。そのため、ブラケットの周りは特に丁寧に磨くことが重要です。磨き方は、歯ブラシを歯面に対して斜め45度に当てることを意識しながら、ブラケット周辺の汚れをしっかりと取り除きましょう。その際、歯全体を一度に磨くと効果的に汚れが除去できませんので、歯を上下に分けて1本ずつ丁寧に磨くようにしてください。

歯と歯の間や歯と歯茎の境目

歯と歯の間は、歯ブラシを縦にあてて磨きましょう。その際、歯ブラシの先端をうまく使って丁寧に汚れを取り除きましょう。歯ブラシが届きづらい歯と歯の間に対しては、タフトブラシや歯間ブラシといった補助的清掃用具を併用すると効果的に汚れを除去できます。歯と歯茎の境目は、境目部分に毛先が当たるように歯ブラシを斜め45度に傾けて、左右に小刻みに振動させて磨きます。その際、毛先が潰れないくらいの力でブラッシングするようにしましょう。タフトブラシを使用して磨くこともお勧めです。

舌側(裏側)矯正の場合

歯の裏側に装置を装着する舌側矯正の場合、歯の表側には装置がついていないので、普段通りに毛先を歯と歯茎の境目に当てて1本ずつ丁寧に磨き、咬合面(歯と歯が噛み合う面)は毛先を当てて小刻みに動かして磨きましょう。歯の裏側は見えづらく、歯磨きもしづらいので、毛先が山型の歯ブラシを使用して横や縦に向きを変えながら、ブラケットやワイヤー周辺を磨きましょう。奥歯は特にブラシが届きにくく、磨き残しが多くなりがちな部分ですので、丁寧にブラシを当てて磨くようにしましょう。歯と歯茎の境目や装置の裏側は、タフトブラシを使って力を入れ過ぎないように左右に細かく振動させて磨きましょう。

ご自身でのお手入れとともに歯科医院での歯のクリーニングを受けましょう

一般的なブラケット矯正の場合、治療中はどうしてもブラッシングがしづらく、虫歯や歯周病などのリスクが高くなってしまいます。また、装置を装着していない場合でさえ、ご自身で正しい歯磨きなどのお手入れをおこなっていても、口腔内のすべての汚れを除去することはできません。そのため、矯正治療中は毎日のご自身でのお手入れをしっかりとおこなうとともに、大分県の歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受けることが大切になります。歯科医院での歯のクリーニングは保険適用のものと自由診療のものがあり、どちらも虫歯や歯周病を予防する目的でおこなわれます。

保険適用での歯のクリーニング

保険適用でおこなう歯のクリーニングは、主に「スケーリング」をおこないます。スケーリングとは、歯面や歯茎の隙間などに付着した歯垢や歯石を、「スケーラー」という専用器具を使って除去する施術です。ただし、保険適用での1回の治療範囲が決まっているため、口腔内の汚れをキレイに除去するためには数回の通院が必要になる場合があります。

自由診療での歯のクリーニング

自由診療での歯のクリーニングは、主に歯科医師や歯科衛生士が専用機器を使用しておこなう歯のクリーニングである「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)をおこないます。PMTCによって、歯周ポケット内の歯垢や歯石の除去、細菌の集合体である「バイオフィルム」も除去することが可能です。また、歯の表面についた着色汚れも除去し、仕上げに歯のフッ素コーティングをおこなうことで、歯垢が歯につきにくくなり歯質も強くなることから、虫歯になりにくい歯になります。さらに、歯科衛生士による歯磨き指導を受けることで、ご自身のセルフケアの向上に繋がります。

まとめ

一般的なブラケット矯正治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。そのため、適切なお手入れをおこなうとともに、定期的に歯科医院での歯のクリーニングが重要です。ブラケット矯正は、定期的に装置の調整と口腔内のチェックをおこないますので、その際に歯のクリーニングを一緒に受けることをお勧めいたします。

もしも、お手入れが大変ということから矯正治療を躊躇している方は、装置を自由に取り外すことができるインビザラインなどの「マウスピース矯正治療」も選択できますので、一度大分県の歯科医院に相談して頂くことをお勧めいたします。

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