セラミック矯正の種類とそのデメリット

B!

セラミック矯正とは、自分の歯を削って、人工の歯を上から被せることで時間を短縮し綺麗な歯並びにするという矯正方法です。被せる人工の歯の材質や、被せる歯の位置によって、治療期間や費用が変わってきますが、他の矯正治療は年単位で期間を要するのに対し、セラミック矯正は1週間ないし数ヶ月で完了することが多いため人気があります。セラミック矯正は別名、クイック矯正や短期間矯正などと言われています。ネーミングから仕上がりについて不安を抱かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

セラミック矯正についてご紹介したいと思います。

Contents

セラミックの種類

セラミックとは、陶材の一種です。セラミックにはいくつか種類があり、それぞれが持つ性質も違ってきます。

セラミック

自然の歯に近い色ツヤを持ち、一般の治療に使用されるレジン(合成樹脂)よりも色調や透明度、耐久性の面で優れており、審美性が高いのが特徴です。透明度が高く、より自然な白さや綺麗さを表現できます。しかし、レジンのような柔軟性がないため、強い衝撃などを受けると稀に欠けてしまうことがあります。また、価格が若干高めになります。

ハイブリッドセラミック

セラミックとプラスチックを混ぜて作られた人口歯です。セラミック、石英、ジルコニアなどの無機物質の微粉末を混ぜて作られています。

一般の治療に使用される硬質なレジンより無機物質の割合が高いため、耐久性が高く、比較的変色もしにくくなっています。しかし、全く変色しないというわけではなく、長く使っていると作ったばかりの質感は失われてしまいます。セラミック100%のもの(オールセラミック)と比べたら、経年劣化が起こりやすいです。しかしオールセラミックより柔軟性に優れているため欠けにくく、天然の歯と同じように自然磨耗するので、周囲の歯にも優しいという特徴があります。

オールセラミック

陶材100%で作られた人口歯のことです。自然な色を表現できるため審美性は高いのですが、陶材のみでできているため、比較的欠けやすく、ブリッジなど特に強い力がかかる部位には不向きと言えるでしょう。

ジルコニアセラミック

人工ダイアモンドや人工関節にも使われる、ジルコニアという固いセラミックで作られたとても強くて丈夫な人工歯です。金属の代わりにジルコニアという鉱物を使用した芯にセラミックを焼き付けたものなので、金属アレルギーをお持ちの方でもセラミック矯正が可能です。透明感があり、歯質に近い色ツヤを持つため、美しい仕上がりが期待できます。強い力がかかる奥歯などにも向いていますが、費用がやや高めになっています。

セラミック矯正のデメリット

セラミック矯正は、歯を削って上からかぶせて歯列を矯正する方法です。

例え健康な歯であっても、芯だけ残して、あとは全て削る事になります。歯は一度削ってしまうと元に戻すことはできず、歯そのものの寿命が縮んでしまいます。それは神経を含む歯髄を抜く事になり、歯髄には血管やリンパなどが含まれているため、歯へ栄養が行き渡らなくなるからです。人口歯よりも先に土台となる歯が欠損してしまうケースもあります。

また虫歯や歯周病、欠損歯の治療などであれば、保険が適用されることもありますが、通常は自由診療のため、保険は適用されません。そのため費用は高額になり、歯の部位とセラミックの素材にもよりますが、総額が100万円を超える場合も多くあります。セラミックの種類によっては、経年劣化で色が変色してしまうことがあり、色の変色のために作り替える事になっても、また同じように費用がかかってしまいます。

オールセラミックなど、金属が入らない人口歯の場合は、強度が元からあまり強くないため欠けてしまったりすることがあります。保証期間を設定している歯科医院も多いので、確認してみると良いでしょう。保証期間内であれば規定の範囲内でやり直してもらうことができます。

セラミック矯正は、補強のために部分的に金属を使っているセラミック矯正も多く、アレルギー反応が起きる場合があります。金属アレルギーをお持ちの方は、ジルコニアセラミック矯正で治療が可能ですが、ジルコニアは人工ダイアモンドや人工関節にも使われる大変丈夫な材質で、費用がさらに高額になるケースが多いです。

セラミック矯正は矯正歯科治療とは違います

セラミック矯正は短期間で綺麗な歯を手に入れたいという患者さまのニーズに合った治療法ですが、これらはワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正歯科治療とは異なります。

セラミック矯正は「矯正」という言葉を使っていますが、矯正専門のクリニックが行う矯正治療とは全くアプローチが異なる治療方法です。例え健康な歯であっても、傾きや大きさなど問題となっている歯を削り、上からセラミックの人工歯を被せることで見た目を改善させます。歯を削り、セラミックの人口歯を被せるため、基本的な処置が数日〜数週間で完了することも多くありますが、歯の傾きや位置を根本的に動かすことはしないので噛み合わせに問題がでることもあります。

最近では芸能人が行うことで、眩しいほどの白い揃った歯イメージから、セラミック矯正を行いたいと考える若い人が増えているようです。しかし実際にどのような治療を行うのかを知らないまま、歯を削った後に後悔する方も多くいらっしゃいます。

結婚式や就職活動のために、短期間で歯並びをきれいにしたいなど考える方が多いようですが、セラミック矯正は安易な気持ちで行うものではないことを、しっかりと念頭に置いてください。健康な歯を半分くらいまで削る必要があるうえ、神経を抜く場合もあり、歯そのものの寿命を縮める可能性が大いにあります。

歯科医院の中には、セラミック矯正を強く勧めるところもあるようなので、歯科医院選びも大切です。セカンドオピニオンを実施している歯科医院もあるので、是非利用してみてください。

最新の記事はこちらから