歯石除去の重要性

「普段日頃から歯磨きをしっかりしているから大丈夫!」そう思っている方も、多いのではないでしょうか。しっかり磨いているつもりでも、歯ブラシだけでは約8割ほどしか磨けていないと言われており、それが歯石になってしまいます。

歯石とは溜まった歯垢が石のように硬くなったもので、磨き残した歯垢はだいたい二週間ほどで歯石へ変わってしまうと言われています。一度ついてしまった歯石は、歯磨きで取る事は不可能で、歯科医院で除去してもらう必要があります。

歯石を放っておいたらどうなる?

歯科医院へ行かず、歯磨きで除去できない歯石をこのまま放置しておいたらどうなるのでしょうか?

特に歯の裏側は見えにくいため、タバコのヤニ、茶渋、歯石など様々な汚れが付着しています。歯石から直接的に身体へ悪影響があるわけではないですが、歯石は細菌が住みやすい場所なので、歯石と歯垢にいる細菌が「歯周病」を引き起こし、歯周病が原因で「生活習慣病」を引き起こすとまで言われています。また歯石が溜まると、細菌が繁殖し、歯茎を傷つけてしまいます。それによって歯肉から出血が起こり、口の中に生臭いニオイが蔓延し、「口臭の原因」になります。

さらに歯周病を発症した後、症状が悪化して歯槽膿漏になると、細菌が死んだ状態である膿が出て、口の中で異様なニオイを発します。そのほかにも、歯石になる前の状態の歯垢(プラーク)が溜まると、細菌が繁殖しやすい環境が作られてしまいます。細菌の増殖や歯茎が弱ってしまうと、当然虫歯のリスクを高めることになります。虫歯が増えることで、お口の中全体に悪影響が及ぶでしょう。虫歯にならないためにも、定期的に歯石を除去するクリーニングは必要不可欠です。

歯周病の怖さ

日本人が歯を失ってしまう原因の第一位は、歯周病です。

歯周病は、歯を支えている骨を溶かす恐ろしい病気です。また痛みを感じないため気付かずに日々進行していき、気付いた頃には歯を抜かなくてはならないケースが多く見受けられます。歯周病によって溶けてしまった骨は、基本的に元に戻りません。骨が溶けている範囲が広範囲に及んでしまっている場合は「機能障害」を引き起こす可能性が大いにあり、非常に大変です。

また歯周病菌は溝に入りやすく、そこで増殖するという性質を持っているため、悪化すればするほど歯周病が進行するスピードが速くなっていくという特徴があります。歯周病にかかりやすくなる年齢は30代と言われています。10~20代のうちは免疫力が高く、歯茎が少し腫れるものの、骨が溶けるレベルにまでは達しないことがほとんどです。しかし、30代に入ると10代や20代の頃の免疫力よりも少しずつ衰えていき、40代に突入すると、深刻な事態になるケースも珍しくありません。40~50代で歯周病を発症している方、あるいは重症化している方の割合は非常に多くなってきます。

さらに歯周病は、お口の中だけの問題ではありません。歯周病菌は、血管を伝って全身に行き渡ります。実際に、歯磨きをしただけで血管の中に菌が入っていくことがわかっており、血流に細菌が存在する状態のことを「菌血症」と言います。そのままの状態で放っておくと、非常に危険で、さまざまな生活習慣病を引き起こすリスクは高くなります。例えば、糖尿病・動脈硬化・低胎児出産などもその一例です。また、誤飲性肺炎になるリスクも高まります。

歯石除去の方法

歯医者で歯石除去を行う場合、歯と歯茎を支える骨が、歯石取りに耐えられる状態かどうかを検査してから歯石除去を行います。仮に歯周病が悪化していて、弱くなった歯茎にスケーラーなどの器具を当てて出血や腫れ、痛みを引き起こしてしまうのを防ぐためです。

検査によって、通常の方法での歯石除去が難しい場合は、外科的治療となるケースもあります。歯石は食べカスが固まったものではなく、歯垢が固まったものです。その歯石を取る際、歯を削るドリルと似たような音がしますが、実際に歯は削っていません。歯石を取る際に使用する器具は「超音波スケーラー」と呼ばれるもので歯石を除去していきます。痛みもほとんどない方が多いので、痛みについての不安は問題ないかと思います。

歯石を除去した後は、歯の表面をきれいに磨き上げます。一時的に歯石を取り除いただけでは、また歯石が付着する怖れがあるため、念入りに磨くことが大切です。普段の歯磨きがおろそかになっていたり、長期にわたり歯科医院に通っておらずお口の状態が良くない状態であれば、3回から6回程度、歯石取りのために通院する必要があるでしょう。

自分で歯石除去をする方法もネットにあったりしますが、自分で歯石を除去することは危険だと考えます。それは不慣れな手つきでスケーラーなどの専用器具を使うと、歯茎や歯を痛めてしまうからです。歯茎を傷つけ出血してしまえば、歯周病や口臭の原因にもなりかねません。万が一、歯石を上手に取れたとしても、それで歯の状態が完全に綺麗になったとは言えないでしょう。

また歯石は付着しやすい性質を持っているので、歯の表面をきれいに磨き上げないと、またすぐに歯石が付着してしまいます。歯の汚れを隅々まで取り除くには、歯科医院で行う専用のクリーニング器具で歯の表面をきれいにする必要があるためご自分で歯石を取り除く行為はおすすめできません。

一生涯、毎日使う大切な歯を守るために歯石除去は非常に重要であると考えます。さらにお口の健康は身体の健康にも繋がっています。老後も自分の歯で食事ができるように、健康な歯を維持する為に、大分県の歯科医院で歯石の除去を行うことをおすすめします。

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